Code for Kobeをはじめて感じたこと

Code for Kobe

僕はFaithCreates Inc.という会社以外に、Code for Kobeというシビックテックコミュニティの代表も務めています。2014年11月末に発足したばかりのCode for Kobeですが、この4ヶ月近い間に色々と考えさせられる体験をしたので、僕なりにシビックテックについて感じていることをまとめてみたいと思います。

シビックテックとは

シビックテックとは「市民がテクノロジーを活用して地域課題を解決する取り組み」とよく定義されます。このような活動を促進する企業・団体は昔から存在しているのですが、最近はボランティアをベースとするシビックテックコミュニティの活動が全国的に盛んになってきています。

自治体もオープンデータを公開することでオープンガバメントや官民協働を推進しており、シビックテックコミュニティは地域にとって重要な役割を担うようになってきています。

Code forとは

全国的に活動が盛んになっているシビックテックコミュニティのひとつにCode forがあります。

Code forとは、Code for Americaから生まれたシビックテックムーブメントで、ヨーロッパ・アジアなど全世界に急速な勢いで広がっています。市民がオープンソース文化をもとにしたインターネットテクノロジーを活用し政治に参加することで、より良い社会をつくることが可能になると彼らは考えています。

Code for Americaについては、僕の大好きな次のTEDトークを見ていただくと非常によく分かると思いますが、テクノロジーに精通しているフェローと呼ばれる人材を自治体に派遣し、自治体の職員とともに課題解決に取り組む活動を行っています。

国内では、Code for Japanが中心となってフェローシップ制度を推進しているのですが、それ以外にも「ともに考え、ともにつくる。」というCode for Japanの理念に共感した人達が、Code for Japan Brigadeという地域のシビックテックコミュニティを立ち上げています。2015年3月現在、日本全国で28の地域(準備中のものも含めると47地域)でCode for Brigadeが活動しており、Code for Kobeもその中のひとつとなります。

シビックテックの具体例

次に、シビックテックの活動がどのような成果をもたらすのか事例を見ていきましょう。

コーポレートフェローシップ

http://code4japan.org/corporate-fellowship

Code for Japanコーポレートフェローシップ

Code for Americaも推進しているコーポレートフェローシップ制度の国内版です。

Code for Japanと企業が提携し、テクノロジーに精通しているエンジニア・デザイナーをフェローとして自治体に派遣する仕組みです。企業は研修の一環として自治体に人材を派遣し自治体職員とともに地域課題に取り組みます。自治体はコーディネイトフィーをCode for Japanに支払う必要がありますが、派遣される人材は研修の一環のため費用がかからず、低コストで課題解決に取り組めます。

既に福井県鯖江市で実施され成果を上げており、来年度は神戸市も含む6都市以上での実施が決定しているようです。

5374.jp

http://5374.jp/

5374

Code for Kanazawaが開発した「いつどのゴミを捨ててよいのか」を調べるためのアプリです。引っ越しした場合など、いつゴミを捨てれば良いか分からないときに便利です。

特徴的なのはアプリのソースコードをオープンソースとして公開しており、各地でカスタマイズして使用することができるため全国へ広がりを見せています。

税金はどこへ行った?

http://kobe.spending.jp/

税金はどこへ行った?神戸版

自分が納めた税金がどこで使われているかをビジュアライズするアプリです。年収を入力すると、納めた税金が1日当たり、どこで、いくら使われているかを可視化してくれます。

イギリスのOpen Knowledge Foundationが開発したWhere Does Money Go? というサービスをベースに開発されており、5374と同様アプリのソースコードがオープンソースとして公開されているため世界中に広がっています。

びわ湖花火大会を楽しむアプリ

http://opendata.shiga.jp/hanabi2014_app/

びわ湖花火大会アプリ

Code for Shiga/Biwakoと大津市が取り組んだ「びわ湖花火大会オープンデータ活用実証事業」で作成したオープンデータを公開しアプリを募集したところ、県内外のクリエーターが自主的に作成したアプリが9つも応募されました。オープンデータを花火大会というエンターテインメントに活用した僕もお気に入りの素敵な事例です。

Code for Kobeをはじめた理由

僕がCode for Kobeをはじめたのは、昨年の10月末頃に開催されたCode for Japanの関さんとのミーティングにたまたま参加させていただいたのがきっかけでした。

色々とディスカッションをして分かったのは、神戸は地元企業や市民がほとんど参加しないままオープンデータが推進されているという現実。神戸にはまだシビックテックコミュニティが存在しなかったのです。

仕方が無いとスルーすることもできたのですが、「オープンデータやオープンガバメントを推進するためには、街の企業や市民の参加なしにはありえない。」と感じたことや、「シビックテックというクリエーターが活躍できる新たな場を神戸につくりたい。」という想いから、その場でCode for Kobeの立ち上げを宣言。多くの仲間に支援され現在に至ります。

テクノロジーを使う自治体や市民と、テクノロジーをつくる企業やクリエーターが共創し、自分たちが住む街の未来に主体的に関わっていくための場になるべく日々活動を続けております。

Code for Kobeをはじめて感じたこと

Code for Kobeには、兵庫県・神戸市の職員、学校の先生や学生、大企業に勤めている方、ベンチャー企業経営者、エンジニア・デザイナーなどのクリエーターなど、本当に様々な立場の人が参加してくれているのが特徴です。

定例ミーティングに参加すれば、普段の生活では出会わないような人たちとディスカッションできたり。アイデアソンを開催すれば、神戸・兵庫のポテンシャルを感じさせれる秀逸なアイデアが生まれたり。Code for Kobeが今までに無かった価値が生まれる場になりはじめてきていると感じてます。

ただ、地域課題という言葉に対しては、僕を含めほとんどの人が実感がないような気がしました。神戸という比較的都会な街だからとか、年齢が若いからという訳ではなく、地域に触れる機会が本当に少ないのだと思います。自分が住んでいる街が今どのようになっているのか、僕たちはもう少し知る必要があると感じました。

また、現状はボランティアベースで進めているため、ディスカッションやアイデアソンで秀逸なアイデアが生まれても、なかなか前に進まないという課題もあります。アイデアを形にするためには多くの人の力が必要あり、市民や企業・自治体・クリエーターにとって三方よしとなる仕組みを地域で生み出す必要があると強く感じています。

これからやっていきたいこと

Code for Kobe市民・自治体・クリエーターが共創し、自分たちが住む街の未来に主体的に関わっていくための場なので、やらなきゃいけない事がある訳ではありません。自分たちの住む街に役に立つことであれば、どんどん意見をいって仲間を募っていただければと思ってます。

そんなCode for Kobeで僕が今やりたい事は、街を知るためのデータビジュアライゼーション。自分達が住んでいる街が今どのようになっているかを知ることで色々なことに気づけると思ってます。最終的にはみんなが作ったビジュアライゼーションをSIGGRAPH ASIAに出展できたら素敵ですね。

課題は沢山ありますがCode for Kobeはまだ始まったばかり。みんなと一緒に楽しく解決していければなと思ってます。毎月第3木曜日に定例ミーティングを開催しているので興味のある方はぜひ参加してみてください。

関連リンク

Code for X

シビックテック事例

その他